梨木香歩さんの「渡りの足跡」の中に、
この言葉が優しく温もりある音色を響かせていた。


「辺りを彩る鄙びて優しい色彩の植生」
梨木香歩著「渡りの足跡」p.47より抜粋


この「鄙びた」という言葉の持つ悪い印象が、
最近たびたび気になっていたのだった。

そんなところにこのような表現を見つけたため、
私は敏感に反応して嬉しく思ったりしたのである。

そこで、久しぶりに辞書を繰ってみることにした。


まずは「類語国語辞典」。

[鄙びた]

田舎ふうである。田舎臭い
(17価値・179雅俗・e卑俗)

[鄙]

都から遠く離れた土地。田舎
(70地域・707村落・a田舎)

角川学芸出版「類語国語辞典」より抜粋


続いて「古語辞典」。

[鄙]

�@田舎。都から遠い地方。
�A夷(えびす)。蝦夷(えみし)。

[鄙ぶ]

田舎風である。田舎めく。

旺文社「古語辞典第八版」より抜粋


古典の世界では蝦夷をも表すこと以外、
その意味や表現に今も昔も大差ないことが分かった。

田舎風という言葉には田舎への憧憬も含まれそうだが、
田舎臭いとなると軽んじられている雰囲気満載である。

この言葉に敏感に反応してしまうのは、
私自身が田舎の地方都市に住むからなのだろうか(笑)


この言葉一つとってみても、
いかに言葉が「人の思い」を乗せるものか改めて感じた。

たとえ世俗的には悪印象を持つ言葉でも、
そこ(この場合は田舎)に良い思いを持つものが使えば、
いくらでも良い印象を運ぶことが出来るのである。


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